2分の1成人式とは?発祥の理由や行事内容・ 問題点など徹底解説

2分の1成人式って最近耳にするようになってきました。

子どもの時に経験したことがあったり、親として子供の2分の1成人式に立ち会った人も増えつつあるようです。

2分の1成人式とは一体どういうものなのでしょうか。始まりや問題点などを解説していきたいと思います。

2分の1成人式とは?

成人式は20歳をお祝いする行事です。その半分なので、10歳を記念して行われる行事のことをいいます。ほかにも十歳式やハーフ成人式、半成人式などと呼ばれることもあります。

10歳になったことをみなで祝い、親に感謝の気持ちを述べる行事です。

文部科学省の学習指導要領に正式な行事として載っていませんが、課外活動の一環として行われている学校もあります。

正式に内容が決まっておらず、実施校が自由に内容を決めて行っています。親が感動する行事として満足している人も多いようですが、一方で批判も多いのが問題です。

2分の1成人式が発祥したのはいつ?

1980年ごろの兵庫県西宮市の小学校から始まりました。

当時小学4年生を担任していた佐藤 修一教諭が高学年になる門出として「背筋を伸ばして、参加できる行事」として考案しました。それが始まりとされていて、今では全国に広がっていきました。

どんな内容の行事なの?

正式な行事ではありませんので、実施校や担当教諭によって特色が出てきます。

一般的には、本来の成人式と同じく1月や2月に行われます。校長先生や保護者代表によるお祝いの言葉や2分の1成人証書の授与、合唱や親への感謝の手紙を一人ひとり読みます。

学年ごとにホールを使う場合やクラスごとに教室で授業参観のように行う場合もあります。合唱では「10歳まで育ててくれてありがとう、これからもよろしくね」といったメッセージ制のある歌が歌われます。

手紙では、親への感謝の気持ちや将来の夢などが語られ、感動し涙する保護者も多い行事です。他にも記念撮影をしたり、小さい頃の写真を放映したりする学校もあり、さまざまです。

2分の1成人式にはどんな問題点があるの?

保護者に感動をあたえる一方で、中には批判的な意見を持つ人も多数います。行事を行うことによって、子どもに与える苦痛や保護者の負担も大きいことが事実です。

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子どもの苦痛

離婚によって片親、両親がいなかったり、虐待を受けていたりする子もいます。施設で生活している子や親が仕事で忙しく来られない家庭もあるでしょう。

親からの手紙をさまざまな理由によって書いてもらえないこともあるかもしれません。公の場で感謝の気持ちを述べたくないと思っている子どもだっているのです。

そういった環境をこの行事を行うことによって、強く意識させてしまうことに繋がります。そして、プライバシーの心情が公開されてしまうという大きな苦痛が生まれてしまうのです。

小学校の先生の意見

学校は子どもが成長する場であって、保護者を喜ばす行事はいらないという意見もあります。普段の学校生活や大きな行事の中で、子どもの成長を感じられたときに感動を与えるものです。

それまでには、子どもが成長する大事な過程があります。大きな行事を乗り越えたときに、保護者の感動が結果としてついてくるのです。始めから、ただ保護者を感動させるための行事は、子どもの成長と関係ありません。

また行事に関する準備の負担も大きくあります。感謝の手紙は負担の一つです。子どもは、親への感謝の気持ちや将来の夢を手紙に書き、読む練習を行います。

保護者は子どもに対して、10歳までの思い出や将来の希望を承諾なしに書かされることになります。そして、教諭も保護者に手紙の依頼をしたり、子どもの手紙を添削したりしなければなりません。

専門家の見解

2分の1成人式自体を批判しているわけではありません。多様化する家庭環境への配慮があまりにもされていないことが問題なのです。

家庭によっては、今までの生い立ちを振り返ることが苦痛になる場合もあるでしょう。児童虐待を受けている子が親への感謝を強制させられることの苦痛は、どれほどのものでしょうか。

こうした行事を苦にする子どももいることを考えて欲しいのです。複雑な家庭環境に対する配慮が足りません。

それを踏まえて、2分の1成人式という行事自体を取りやめたり、別の授業に振り替えたりする学校も多いです。今後も続けていきたいと考えるのであれば、行事内容を再度検討することが必要でしょう。

保護者の考え

感動的な行事にぜひ参加したいと思う家庭もあれば、仕事で都合がつかない家庭もあるでしょう。この行事は平日に行われることがほとんどです。

子どもから2分の1成人式の招待状をもらい「自分だけ親がいなかったら、嫌だから絶対に来てね」と言われてしまいます。学校からの手紙にも都合をつけて、できるだけ来るように記されているなど大きなプレッシャーを感じてしまうでしょう。

その上、子どもに対する手紙を書いてくるという指示もあり、面倒に思う人もいると思います。

2分の1成人式には実はメリットもある?

批判的な意見が目立つ一方で、行事のあとに良い変化が見られたという意見も少なからずあります。

子どもの将来の夢

親への手紙の中で将来の夢を語ることによって、夢に向かって具体的に取り組むようになったこともあります。積極的に行動するようになり、諦めない気持ちが芽生えたという意見もあります。

自分の人生について考える

行事を終えて、自分の人生に対する責任感が出てきたという子どももいます。自主的に宿題に取り組み、お手伝いをしてくれるようになったようです。

この行事を通して、親への感謝の気持ちを強く感じたのかもしれませんね。

自分の将来に対する親の希望

親からの手紙の言葉を聞いて、変わった家庭もあります。今まで親に叱られたときに、ふてくされていた子が素直に話を聞き、受け止めてくれるようになりました。

自分に期待をされてるからこそ、叱ってくれるのだと実感したのかもしれませんね。

親子の会話

今まであまりなかった親子での会話が増えたという人もいます。友達や勉強のこと、日々のできごとや悩み事を打ち明けてくれるようになった家庭もあります。

親子の関係改善のきっかけとして良かったのかもしれませんね。

まとめ

2分の1成人式には、様々な意見があります。親への感謝を伝えることは日頃の親子関係を振り返ったり、関係を深めたりするきっかけになると思います。

現代社会では、複雑な事情を抱えた家庭も多くあります。そういった環境に十分な配慮することなど問題はたくさんあります。

子どもが成長するきっかけとして、行事の在り方を今一度考え直すことも必要になってくるでしょう。どんなときも教育の現場として、子どもが成長するための場であることを忘れずにいてほしいと思います。